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サイトで参考にさせてもらった神話関係の史料、文献、論文等。簡単な紹介と、読書感想も兼ねています。随時更新です。 まだ10分の1も終わってません…すみません。
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ボーイ・ミーツ・ボーイ ~アポロンとヘルメスの出会い~

すさまじく偉そうかつ、ぷりぷり怒るアポロンが、最終的にヘルメスの手のひらの上で転がされるまでを描いた歌。最初はケンカしまくってた二人が、竪琴やら色んなプレゼントを渡し合って、最後に親友になるまでの流れは、まさに「ああー!!青春だなあーー!!」。二人の掛け合いや騙し合いも、イキイキしていて本当に面白い!…

アポロン「おい、揺りかごに寝ている小僧!!私の牛をどこにやったか言え!さもないと今すぐ冥界のタルタロスに投げ込んでやるぞ!!」
ヘルメス「またまた御冗談を。牛なんて僕は知りませんよ。」
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下ネタの面白さは万国共通!

ディオニュソスのエンターテイナー魂に脱帽。
アイツ笑いのためならすごいフランクな感じで失禁するぞ!!…そんな彼が冥界に殴りこむ、というお話。ハーデス様やアイアコスたち、冥界の面々も顔をそろえてすごく賑やかな喜劇です。今読んでも十分笑える作品!

アイアコス「私が一番楽しいのは、陰で上司の悪口を言っている時だ。」
アポロン「そなたの愛らしい唇は、こうして眺めているだけは物足りぬ。いや、唇だけではない、その指も、手も、腕も…。服で隠されているところは、きっともっと良いのだろうな…?』

恋に狂ったアポロンを書かせたらこの男の右に出る者はいない…オウィディウス先生!彼はローマ人なので、ローマ風にギリシャ神話をカスタマイズしています。でも読みやすいし、いかんせんアポロンが面白すぎる。月桂樹とアポロンのシーンはその中でも随一といわれるほど面白い…もとい、美しい一節です。本当に、言葉の一つ一つが宝石みたいにキラキラ輝いてる!
「堪え忍べ、わが心よ!お前は以前これに勝る無残な仕打ちにも辛抱したではないか。」

――というこのオデュッセウスの言葉を大声で叫ぶと、どんな苦労も乗り越えられそうな気がする。『イリアス』とならぶギリシャの一大叙事詩。なんだか人間の人生の縮図のような物語。一難去ってまた一難。
個人的に思うのは、主人公のオデュッセウスがかなり平凡な男だということ。だから、読む人一人一人が感情移入できる余地がある。『イリアス』みたいに「こいつら全員バケモンだぞ!!」という連中よりも、ちょっと小賢しいだけの平凡なこの男の気持ちの方が、そりゃあ理解できるってもんだ!
「メーニーン・アエイデ・テア!」(怒りを歌え、女神よ!)

…この一節から始まる、ギリシャで最も有名な叙事詩!そして、古代ギリシャ人が最も愛した歌。個人的には、荒々しく、野性味あふれるアポロンが大好きです。「夜の闇のような」アポロン。こんな形容詞はもう二度とつけられないんじゃないか!?(笑)のちに光の神として崇められるようになっていく彼の原初の姿。
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