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サイトで参考にさせてもらった神話関係の史料、文献、論文等。簡単な紹介と、読書感想も兼ねています。随時更新です。 まだ10分の1も終わってません…すみません。
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ハーデス様、どうして浮気したの?

植物(主にハーブ類)関係の神話を神話学的アプローチから解明する本。この中の、ハーデス様の浮気相手・ミントの考察はとても興味深かったです。ミントは催淫剤であり、同時に避妊剤でもある。ミントとペルセポネーの比較。そこから見えてくるミントの神話学的位置・意味とは?
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みんなアポロンを描く時は本気だけど、ハーデス描くときはテキトーすぎるだろ!

神々や英雄がどのような姿で描かれてきたのか――。古代に描かれた何万点もの図像、彫像などが人物ごとに収録されている本。私は神様のイラストを描くときに参考にしています。絵を見ているだけで本当に面白い!ちなみに、30巻セットで300万円。誕生日にはダイヤの指輪よりこの本を贈ってくれないか!
このサイトで一生楽しめる。

古代ギリシャ・ローマで書かれた本をすべて収録しているwebサイト。ホメロスも、アリストテレスも、オウィディウスも全部!!もちろん、誰でもタダで自由にアクセスできる!英語さえ読めれば、英語とギリシャ語を見比べながら、どんな本でも読むことができるぞ!しかもしかも、このサイトがスゴイのは、ギリシャ語の本文中の単語に辞書へのリンクが貼ってあることだ!たとえば、文中に

「lelusontai」

という未知の単語が出てきて、これなんだろう?と思っても、クリックするだけで辞書が出てくる!そしてこれが

「luo」(解放する)

という動詞の、「直接法・受動態・未来完了・3人称複数形」という形、つまり「彼らは解放されているであろう。」という意味だとわかる。
神すぎる!!しかし、先生方からは「ギリシャ語を覚えなくなる」という理由でこのサイトの存在をひた隠しにされていた。ある意味悪魔のサイトでもある。

トップページ
ttp://www.perseus.tufts.edu/hopper/
ギリシャとかの蔵書
ttp://www.perseus.tufts.edu/hopper/collection.jsp?collection=Perseus:collection:Greco-Roman
古代ギリシャ語・ラテン語辞書
ttp://www.perseus.tufts.edu/hopper/search

たとえば、『イリアス』の冒頭部分!「怒りを歌え、女神よ!」
ttp://www.perseus.tufts.edu/hopper/text.jsp?doc=Perseus:text:1999.01.0134
右半分の「Greek(1920)」の部分の「load」を選択すると、ギリシャ語が右に出てくる!確かにこれじゃあギリシャ語覚えねえ(笑)。
「軍神アテナは、黒人だったのではないか?」

たぶん、21世紀の神話学を変えた本。ギリシア文明は、エジプト文明の亜流だったのでは?アテナは白人じゃない。もとは黒人だったんじゃないか?

…もうビックリしすぎて意味が分からない!この本が出た時は古代ギリシャ史界は大騒ぎだった。それくらい衝撃のデカかった一冊。もうこの本に対するあらゆる批判や論評が出された。ただ、オチを言うと、今はこの筆者の言うことは一理ある…つまり、ギリシャ文明は、エジプトの影響を受けてはいるだろうが、「亜流」というのは間違いなんじゃ?というところで議論が落ち着いてる。

私個人は、たとえばアテナ(の起源)が別にエジプト人でもアフリカ人でも全然かまわない。いいじゃん!って感じだけど、西洋人にはやはり抵抗があるらしい(差別的な意味じゃなく、文化的独占欲から)。

(ちなみに日本語版は簡易版?なので、議論の細かいところは省かれています。そこ省いちゃうの!?っていうところもかなりある…もったいない!)
書いた文章がエロすぎるという理由で、時の皇帝に島流しにされた男

『変身物語』のオウィディウス先生の歌集。恋人に向けた彼の言葉の数々は本当に耽美!まさにエロすぎる文章を書く男の真骨頂!個人的には、『バッカスへの訴え』が大好きです。

「最も美しい神バッカスよ。ここへきて私の不幸を軽くして下さい。私があなたの仲間の一人であることをどうか思い出して。」
アポロン「そなたの愛らしい唇は、こうして眺めているだけは物足りぬ。いや、唇だけではない、その指も、手も、腕も…。服で隠されているところは、きっともっと良いのだろうな…?』

恋に狂ったアポロンを書かせたらこの男の右に出る者はいない…オウィディウス先生!彼はローマ人なので、ローマ風にギリシャ神話をカスタマイズしています。でも読みやすいし、いかんせんアポロンが面白すぎる。月桂樹とアポロンのシーンはその中でも随一といわれるほど面白い…もとい、美しい一節です。本当に、言葉の一つ一つが宝石みたいにキラキラ輝いてる!
アポロンが最も愛した歌。

――ピンダロスはアポロンに最も愛された詩人といわれ、アポロンはデルフォイで夜ごと彼に歌を所望した、という伝説まである。オリンポスにアポロンの竪琴が一弦、鳴り響く荘厳な描写。栄光に包まれた英雄たちの物語。光にあふれた神々の神話。…どれをどっても、「アポロンが愛した歌」と謳われるにふさわしい!

「ハーデスの波は誰にもひとしく崩れかかる。栄える者にもそうでない者にも。だが、最高の喜びを得た者は、ハーデスを忘れることができる。」

…まさにこの言葉の体現!
でも、「祝勝歌」というジャンル上、かなりとっつきにくくて読みにくいカンジ。「どういう意味なの?」「この神話なんなの?」「どうしてここでこの話が出てくるんだ?」と思うことがかなりある。
「冥王ハーデスは、かつて太陽神だったのではないか…?」

――ハーデスがペルセポネーをさらった時、それを見てたのは「太陽(ヘリオス)」だけ。ハーデスが地上で唯一所有するタイナロスの野の牛は、「ヘリオス」の所有物でもある。戦車を駆るヘリオスとハーデス。輝く帽子をかぶるハーデスの絵・・・。ハーデスは元来、太陽神ヘリオスと同一の存在だったのでは?

…ものすごく興奮した!!こんなことを考える人がいるんだ・・・!こんなおもしろい論文があったんだ!!ヘリオスはアポロンと類比されることが多いが、ヘリオスとハーデスの類似点の方がよっぽど重要じゃないか?と思った。ヘリオス=ハーデス。確かに!ずっとずっと昔のハーデス様は、たしかに「輝ける君」だったのかもしれない!おもっしろーーい!

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